この章では、3の介護福祉士について解説しています!
1~3についてはリンク先の記事をご覧ください。
介護福祉士
介護系の資格では「介護福祉士」だけが国家資格になります。専門的な知識と技能を有し、実務研修・介護職初任者研修・無資格者の指導や助言を行い、現場のリーダー的な役割を果たします。
生活指導員や現場リーダー、サービス提供責任者など、介護福祉士の有資格者が配置要件の職種もあり、ステップアップのためには目指したい資格です。
平成30年時点で、226,283人(前年比+13,138人)の介護福祉士が登録されています。
2015年12月から介護福祉士の上位資格として、「認定介護福祉士」(「一般社団法人 認定介護福祉士認証・認定機構」による民間の認定資格)が新設されました。
しかし、昨年(2019年)総数が55名(2018年28名)に増えたばかりで、まだまだこれからの資格です。
当面は、介護福祉士が介護の現場のリーダー的な役割を担っていきます。
利用者さんやご家族も専門職を頼りにされています。
受験資格(ルート)
「介護福祉士 国家試験」に合格すれば資格取得となります。
2019年度の介護福祉士(国家試験)の合格率は73.7%です。
実務経験などにより実技試験が免除されるようになったためか、年々合格率は上がってきています。
受験資格には4つのルートがあります。
❶実務経験ルート
・学歴は関係ありません
①実務者研修を修了した方
②実務経験3年以上
【勤務日数1,095日以上、かつ従事日時540日以上】
①②両方を満たす必要があります
※『介護職員基礎研修』を修了している方のみ、『喀痰吸引等研修』を受講修了で介護福祉士資格を取得できます。
※『介護職員基礎研修』は2012年末に廃止されていますので、受講修了時期が該当するか確認する必要があります。
❷福祉系高校ルート
①平成21年度以降に入学の方
卒業後、介護福祉士国家試験の『筆記試験』に合格すれば資格取得できます。
②平成20年度以前に入学された方
卒業後、介護福祉士国家試験の『筆記試験』と『実技試験』に合格すれば資格取得できます。
※『介護技術講習会』の修了認定を受けている方は、介護福祉士国家試験の『実技試験』を免除されます。
※『介護技術講習会』は厚生労働省が平成17年より実施している、指定の養成施設が実施する32時間以上の講習です。
❸福祉系特例高校ルート
①平成21年度以降に入学された方
卒業後に、『9ヶ月の実務経験』後、介護福祉士国家試験の『筆記試験』と『実技試験』に合格すれば資格取得できます。
養成施設ルート
指定の介護福祉士養成施設(学校)を卒業し介護福祉士国家試験の『筆記試験』に合格すれば資格取得できます。
※2017年度以前までは、養成施設の卒業と同時に国家資格を取得できました。
※2018年1月実施の国家試験より、養成施設を卒業して国家資格に合格しなければ資格を取得できなくなりましたので、経過措置が取られています。
・2017年4月1日~2022年3月31日までに養成施設を卒業される方に限定して、試験を受けて不合格の場合でも、登録申請すれば『卒業後5年間は介護福祉士資格取得者とみなされる』ことになりました。
ただし、卒業後5年を過ぎても資格取得者として有効とするには以下の2つの条件がありますので注意しましょう。
①卒業後5年間の内に『介護福祉士』国家試験の『筆記試験』に合格する
②卒業後5年間の内に『介護業務』に、『連続して1,825日以上かつ従業日数が900日以上』従事する
2022年以降に卒業する方に対しての猶予措置はなく、国家試験に合格しなければなりません。
【養成施設の種類】
①1年コース
福祉系大学、社会福祉士養成施設、保育士養成施設のいづれかを卒業した方
②2年コース
普通科高校(福祉系の高校以外)を卒業した方
【養成施設2年コース必須カリキュラム】
科目 | 時間数 | |
人間と社会 | 240 | |
人間の尊厳と自立 | 30以上 | |
人間関係とコミュニケーション | 60以上 | |
社会の理解 | 60以上 | |
人間と社会に関する選択科目 | - | |
介護 | 1,260 | |
介護の基本 | 180 | |
コミュニケーション技術 | 60 | |
生活支援技術 | 300 | |
介護過程 | 150 | |
介護総合演習 | 120 | |
介護実習 | 450 | |
こころとからだのしくみ | 300 | |
発達と老化の理解 | 60 | |
認知症の理解 | 60 | |
障害の理解 | 60 | |
こころとからだのしくみ | 120 | |
医療的ケア | 50 | |
総時間数 | 1,850 |
一般的に『専門学校』と呼ばれることが多いです。施設での現場実習も段階的に経験するので、実践的な技能の習得もできます。
働き始めると、他の施設の現場を体験する機会はあまりありません。
希望する種別の施設で、実習(泊まり込みまたは通い)ができるのは貴重です。
また、養成施設の学生という特権を活用して、様々な施設でのボランティア活動も自由にできます。
私も、多くの施設へ足を運び、話し相手・レクリエーション・行事のお手伝い・イベント参加など経験しました。
顔を覚えていただけるので、その後の就職に有利になったり、横のつながりができ仕事の幅も広がります。
かかる費用は、おおよそ4年生施設で約400万円、2年生施設で約200万円が相場になっています。
詳しい費用については、『介護福祉士養成施設協会』のホームページから、全国の養成施設の一覧が見られますので直接確認しましょう。
『介養協』全国の養成施設を探す ≫
❹経済連携協定(EPA)ルート
『公益社団法人国際厚生事業団』と締結した『受入施設』において、研修責任者の監督の下で『日本の介護福祉士資格を取得することを目的とした研修』を受けながら就労する『介護福祉士候補者』のインドネシア人、フィリピン人及びベトナム人の方が資格取得を目指します。
実務経験3年以上の方で『介護技術講習会』を受講修了している方は『実技試験』が免除されます。
引用元:厚生労働省 介護福祉士の資格取得方法
受験費用・受験内容
国家試験の受験料 15,300円
(2018年1月より値上がりしました)
試験日程
試験日程:第33回試験(予定)
筆記試験:令和3年1月下旬
実技試験:令和3年3月上旬
受付
受験申込書の受付期間:令和2年8月上旬~9月上旬
試験科目
【試験科目】
筆記試験:(11科目群)
❶人間の尊厳と自立、介護の基本
❷人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
❸社会の理解
❹生活支援技術
❺介護過程
❻発達と老化の理解
❼認知症の理解
❽障害の理解
❾こころとからだのしくみ
➓医療的ケア
⓫総合問題
実技試験
介護等に関する専門的技能
登録
介護福祉士に合格をしても『資格登録』をしないと『介護福祉士』を名乗れません。
手続きが完了後、登録証の交付を受けてはじめて『介護福祉士』と名乗ることができます。
介護福祉士の登録に必要なもの
- 登録の手引(新規登録用)
合格後、郵送で届きます - 登録申請書
- 登録手数料「振替払込受付証明書」貼付用紙
- 登録手数料 3,320円
登録手数料(指定金融機関で払い込む) - 登録手数料「振替払込受付証明書」等
登録手数料の支払い時に指定金融機関で受け取り、登録手数料「振替払込受付証明書」貼付用紙に貼付して提出します - 収入印紙 9,000円
登録免許税(登録申請書に貼付して提出) - 介護福祉士養成施設等の卒業(修了)証明書
介護福祉士養成施設卒業者のみ提出が必要 - 戸籍証明書類(日本国籍の場合)
「戸籍抄本」「戸籍の個人事項証明書」「本籍地を記載した住民票」のいずれか1通(いずれもコピー不可) - 戸籍証明書類(外国籍の場合)
中長期在留者・特別永住者は「国籍等を記載した住民票(コピー不可)」、短期滞在者は「旅券(パスポート)その他の身分を証する書類の写し」を1通
『介護福祉士』国家試験の受験に向けた講座が実質0円で受講できる『キャリアアップ応援制度』を『かいご畑 』というサービスで実施されています。
『介護職員初任者研修』⇒『実務者研修』⇒『介護福祉士』と全て0円で取得できるので、介護福祉士より前のステップから目指している方に向いているサービスかもしれません。
資格取得までの期間
各ルートによって違います。
実務経験ルート
最短3年で取得できます。受験資格を満たし国家試験に合格した場合。
❶福祉系高校ルート
最短3年で取得できます。卒業後、国家資格に合格した場合。
❷養成施設ルート
最短1年で取得できます。養成施設(1年コース)を卒業後、国家試験に合格した場合。
2年コースの場合は最短2年です。
❶EPAコース
最短3年で取得できます。受験資格を満たし、国家試験に合格した場合
平均給与
介護職員の平均給与(月給・常勤)
加算(Ⅰ)~(Ⅴ)を取得している事業所
平成30年 平成29年 全体 300,970円 290,120円 資格あり 303,460円 292,820円 介護福祉士 313,920円 304,630円 実務者研修 288,060円 280,400円 介護職員初任者研修 285,560円 273,920円 資格なし 261,600円 252,490円
勤続年数別・介護職員の平均給与(月給・常勤)
加算(Ⅰ)~(Ⅱ)を取得している事業所
平成30年 平成29年 全体 300,970円 290,120円 1年(勤続1年~11か月) 270,740円 242,150円 2年(勤続2年~11か月) 278,550円 266,320円 3年(勤続3年~11か月) 282,700円 271,830円 4年(勤続4年~11か月) 284,300円 273,590円 5年(勤続5年~11か月) 290,400円 279,050円 10年(勤続10年~11か月) 318,470円 307,830円 15年(勤続15年~11か月) 332,200円 322,070円 20年以上(勤続20年~) 381,030円 374,480円
主な活躍できる場所
介護保険サービス
在宅サービス
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 短期入所生活介護(ショートスティ)
- 短期入所療養介護(ショートスティ)
- 福祉用具貸与(レンタル)
- 特定施設入所者生活介護(有料老人ホームなど)
地域密着型サービス
- 小規模多機能居宅介護
- 定期巡回・随時対応型訪問看護介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
- 地域密着型通所介護
- 定期巡回・随時対応型訪問看護介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
- 夜間対応型訪問介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
- 認知症対応型通所介護
- 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 地域密着型特定施設入居者生活介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
施設サービス
- 介護老人福祉施設入居者生活介護
- 介護老人保健施設入居者生活介護
- 介護療養型医療施設入居者生活介護
※2024年3月末までで廃止 - 介護医療院(2018年4月新設~)
介護保険以外のサービス
- 軽費老人ホーム
- 養護老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 家政婦紹介所
介護保険サービスは上記以外にもあって、全部で26種類54種類あります。
こうして見ても、これだけ数多くの仕事の場があります。
上に挙げたサービスの内、「実務者研修」が必要なものは、
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 定期巡回・随時対応型訪問看護介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合サービス)
- 夜間対応型訪問介護
の訪問系サービスだけで、他のサービスは現状では「無資格」でも働くことができます。
ただし、
ポイント
- 有資格者の割合が高い
- 有資格者の職員定着率が高い
事業所ほど介護報酬(事業所の収益になります)が優遇されるため、資格保有者が増えてくると必然的に「無資格者」の就職枠が少なくなってきます。
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資格費用 13万円相当 ⇒ 実質0円
こんなに取れる
メモ
- 介護職員初任者研修
- 実務研修
- 介護福祉士(受験対策)
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